【ソウル=加藤宏一】韓国大統領府は21日、企画財政相ら5閣僚を交代する内閣改造人事を発表した。朴槿恵(パク・クネ)大統領に近い国会議員出身の有力閣僚らを党に復帰させ、来春の総選挙に備える。一方で、新任閣僚に経済学者出身の議員や官僚らを充てる実務型の布陣となった。新内閣は現在の経済政策を継承する方針を示した。
企画財政相、教育相、産業通商資源相、行政自治相、女性家族相が交代する。新任閣僚は出身別で官僚が2人、議員が2人、大学教授が1人。経済副首相兼企画財政相に就く柳一鎬(ユ・イルホ)議員は、政府系シンクタンクの韓国開発研究院出身で経済に明るく、大統領当選後に朴氏の秘書室長も務めた親朴派だ。新任閣僚は国会の人事聴聞会を経て就任する。
来年2月に政権発足4年目を迎える朴氏が内閣改造で政権の基盤固めを急ぐ一方で、野党は分裂騒動が続いている。最大野党の新政治民主連合を離党した安哲秀(アン・チョルス)氏は同日、ソウルで記者会見し、2月初めに新党結成を目指すと宣言。新政治民主連合との選挙協力を「考えていない」とし、第3勢力の結集を目指す考えだ。