政府は21日まとめた12月の月例経済報告で、景気は「このところ一部に弱さもみられるが、緩やかな回復基調が続いている」との判断を2カ月連続で据え置いた。雇用を「改善している」に引き上げた。住宅建設や公共投資は引き下げた。先行きのリスクとして、米金融政策の正常化に伴う中国・アジア新興国の景気下振れを挙げた。
雇用は前月までは「改善傾向にある」だった。直近10月の完全失業率は3.1%と、20年3カ月ぶりの低水準に下がった。有効求人倍率も1.24倍と、求人数が求職者数を上回る状況が続き、雇用の改善が目立つ。
住宅は「おおむね横ばい」と、前月までの「総じて持ち直している」から1年8カ月ぶりに引き下げた。首都圏のマンション販売が減速し、住宅着工戸数も低迷している。くい打ち工事データの不正問題は「今後影響が出てくる可能性もある」(内閣府)という。
公共投資は「緩やかな減少」と、前月までの「改善傾向にある」から7カ月ぶりに引き下げた。2014年度補正予算に基づく受注が一巡し、出来高も減少傾向にある。
個人消費は「総じてみれば底堅い動き」、設備投資は「おおむね横ばい」で据え置いた。
海外は「アジア新興国等において弱さがみられるものの、全体としては緩やかに回復している」との判断を4カ月連続で維持した。