J・フロントリテイリングと高島屋が25日に発表した2015年3~11月期の連結決算は、ともに純利益が前年同期に比べ増えた。Jフロントが80%増の184億円、高島屋が25%増の162億円だった。訪日外国人客が急増し、化粧品や海外高級ブランド品が売れた。株式相場の上昇を背景に宝飾品など富裕層向け高額品も堅調だった。
Jフロントの売上高は3%増の8493億円。傘下の大丸松坂屋百貨店では、免税売上高が3.3倍の253億円に膨らんだ。
富裕層向けでは高級時計や宝飾品の販売が伸びた。広告宣伝費の削減効果などもあり、本業のもうけを示す営業利益は22%増の309億円と、3~11月期として過去最高だった。
高島屋の売上高にあたる営業収益は2%増の6695億円。このうち免税売上高は約2.7倍の215億円だった。特に訪日客が多い大阪、京都、新宿の店で売上高が伸びた。
10月に東京・日本橋に開業した時計専門館「タカシマヤ ウオッチ メゾン」の平均単価は60万円を超えるが、富裕層を中心に売れ行きが良かった。若い男女が買う姿も目立ち、好みに合う商品には出費を惜しまない消費者をつかんだ。
高島屋の村田善郎常務は「大都市圏の店舗は増収だが地方店は減収だ。中間所得層の消費は弱く、ばらつきがある」と述べた。