世界文化遺産登録を目指す「北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群」を持つ北海道、青森、岩手、秋田の4道県は26日、東京都内で会合を開き、遺跡群を構成する18件から鷲ノ木遺跡(北海道森町)と長七谷地貝塚(青森県八戸市)の2件を外すことを決めた。保全状況に課題があることが理由としている。
今後は三内丸山遺跡(青森市)など残る16件の登録に向けた推薦書原案を来年3月末までに文化庁に提出、2018年の登録実現を目指す。
会合後、青森県の三村申吾知事は「(登録に向けた)課題の整理が進んだ」と述べた。除外の2件については「縄文遺跡群としての普遍的価値はある」と強調した。
縄文遺跡群は09年、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の暫定リストに掲載された。しかし長七谷地貝塚は工業地帯に隣接し、保全措置が十分でない点、鷲ノ木遺跡は地下に高速道路が通っている点が遺産保全上の課題として当初から指摘されていた。4道県は遺跡群が世界遺産に登録された後の追加登録を視野に、2件の保全対策を協力して進める。〔共同〕