ガス・石油暖房機器を巡る事故が2014年度までの約5年間で547件あり、死者は64人に上ることが26日までに、製品評価技術基盤機構(NITE)の集計で分かった。誤った使い方や不注意による事故が目立ち、うち7割超の413件が火災だった。これらの機器を使う機会が増える冬本番を迎え、NITEは注意を呼び掛けた。
製品別の事故数は石油ストーブ301件、石油温風暖房機162件、ガスストーブ38件、ガス温風暖房機36件など。
香川県では14年2月、火がついたままの石油ストーブに給油し、タンクのふたの閉め方が緩かったため、漏れた灯油に引火したとみられる火災が発生し、70代の女性が死亡した。
石油ストーブにたまったほこりが吸気口をふさいで炎が逆流、引火したり、就寝中にストーブの上に干していた洗濯物が落ちたりしたのが原因と推定される火災もあった。ガス接続口に専用ではないホースをつないだため、ガスが漏れて引火した事故もあった。
NITEは事故例を分析し、(1)給油時は必ず消火する(2)タンクのふたが閉まっているか、機器は正しく装着されているか確かめる(3)こまめに点検、清掃する(4)周囲に可燃物を置かず、就寝時や外出時は使わない――などの注意点を挙げた。〔共同〕