【ドバイ=久門武史】イラク軍報道官は27日、中西部アンバル州の州都ラマディで過激派組織「イスラム国」(IS=Islamic State)との戦闘に勝利したと宣言した。軍が同日、ISの拠点だった中心部の政府庁舎を制圧し、IS戦闘員は全て撤退したと表明。「我々がラマディでISを打ち負かしたことを意味する」と述べた。ロイター通信などが伝えた。
27日、イラク中西部のラマディで「イスラム国」と戦うイラク治安部隊の兵士=AP
ただISは市街地に多数の爆発装置を仕掛けており、潜伏した残存勢力が抵抗を続ける可能性もある。米軍関係者は、IS戦闘員が政府庁舎から一掃されたか確認できていないとしている。イラク政府は危険除去を確認したうえで、ラマディ奪還を宣言するとみられる。
ラマディは首都バグダッドの西方約100キロメートルにある要衝で、5月にISが支配下に置いた。全面奪還はイラク政府にとって、3月に北部の要衝ティクリートをISから奪い返して以来の大きな戦果となる。
イラク軍は12月8日にラマディ南西部を奪還し、22日に中心部に進撃。米軍主導の有志連合が空爆で奪還作戦を支援した。ISは自爆攻撃や狙撃で激しく抵抗し、住民を「人間の盾」に使って軍の接近を阻もうとしていた。