ブリヂストンは29日(米国時間)、米投資家カール・アイカーン氏と競っていた米タイヤ販売大手ペップ・ボーイズの買収について「買い取り価格を上げない」と発表した。これまでブリヂストンは1株17ドル、アイカーン氏は1株18.5ドルでの買収を提案。ペップは28日、アイカーン氏の計画が優位と表明していた。
ブリヂストンの米国子会社が「1株18.5ドルでの株式買い取りというアイカーン氏側の最新の提案に対して、対抗案を提出しない」と発表した。
ブリヂストンは10月、TOB(株式公開買い付け)による買収でペップと合意したと発表した。この時点では1株15ドルでの買い取りを表明していた。だが、12月になってアイカーン氏も買収の意向を表明。同氏がブリヂストンより高値での買い取りを相次ぎ提案したため、ブリヂストンは24日、1株17ドルまで買い取り価格を引き上げていた。
28日にはアイカーン氏が1株18.5ドルでの買い取りを提案した。ペップは同提案を「ブリヂストンより優れている」と指摘し、ブリヂストンに31日(米国時間)までに対案を示すよう要請。その内容次第では「買収合意を破棄し、推奨する売却相手を変える意思がある」と明らかにしていた。