【ブリュッセル=共同】ベルギー首都ブリュッセルの行政当局は30日、テロの危険があるとして、新年恒例の打ち上げ花火を中止することを決めた。管轄するイバン・マヨール区長が公共放送RTBFで明らかにした。
マヨール氏は1年前に約10万人が集まった花火がテロの標的となる恐れを指摘。「全員をチェックできない」と述べ、ヤンボン内相とも協議し決めたと説明した。ミシェル首相は「正当な決断だ」と支持する考えを示した。
ブリュッセル首都圏ではパリ同時多発テロ後の11月下旬、テロの差し迫った脅威があるとして、警戒水準が4段階の最高に一時引き上げられた。その後も国内全土について「脅威があり得る」として上から2番目の水準が維持されている。
また捜査当局は今週、首都で年末にテロを起こす計画を立てていた疑いがあるとして男2人を逮捕した。
ブリュッセル中心部で元日午前0時から行われる花火は新年の風物詩。テロの懸念を背景に中心部のレストランでは大みそかの予約が極めて少ないなどと伝えられており、花火の中止で人出は一層少なくなりそうだ。