【ワシントン=共同】米紙ウォール・ストリート・ジャーナル電子版は30日、オバマ米政権がイランの弾道ミサイル開発に関与したとして、イランや香港、アラブ首長国連邦(UAE)の約10の個人・企業への金融制裁を準備していると報じた。複数の米政府当局者の話としている。
イランの反発は必至。イラン核合意の履行に向けて野党共和党の抵抗を少しでも和らげるため、弾道ミサイル開発に厳しい姿勢を示す必要があると判断したようだ。
イランは10、11月に新型弾道ミサイルの発射実験を相次いで実施した。国連安全保障理事会の専門家パネルは10月のミサイルについて、核兵器の搭載能力があり、発射を禁じた安保理決議に違反すると認定。共和党がオバマ政権に対処を迫っていた。
同紙によると、制裁対象にはミサイルに使われるカーボン素材を調達しようとしたUAEの貿易会社や創業者、イラン国防軍需省当局者5人が含まれる。北朝鮮の武器輸出を担う朝鮮鉱業貿易開発会社(KOMID)から部品を購入した事実も制裁理由に挙げられているという。