【モスクワ=共同】ロシア、ウクライナ、ドイツ、フランスの首脳は30日に電話会談し、ウクライナ紛争の政治解決を目指す和平合意について、今年末の履行期限を延長することで正式合意した。ロシア大統領府が発表した。
ウクライナ東部の親ロシア派とウクライナ政府軍による紛争は、ロシアのプーチン大統領、ウクライナのポロシェンコ大統領、ドイツのメルケル首相、フランスのオランド大統領が達成した今年2月の和平合意を受け、武力衝突はおおむね鎮まった。
だが、東部に大幅な自治権を与えるウクライナ憲法改正や、ロシアによる親ロシア派への兵器供与などを防ぐため東部国境をウクライナ中央政府が管理する措置など、紛争を最終決着に導く政治領域の合意履行は、ほとんど手つかずの状態。このため4カ国首脳は10月にパリで開いた首脳会談で、和平合意の履行期限の延長は不可避との判断を固め、年末まで事態の推移を見守っていた。
和平合意をめぐっては、欧米やウクライナ側が、ロシアと親ロシア派が東部国境の実効支配を継続していると批判。ロシア側はウクライナ政権が東部の自治権拡大に関する憲法改正について、親ロシア派との対話を拒否していると非難している。
パリからの報道によると、30日の電話会談では、来年1月に4カ国外相会談を開催、和平合意の推進について協議することも決めた。
欧米は和平合意の完全な履行を、ロシアに科した制裁を緩和する前提条件としている。