【ヤンゴン=松井基一】ミャンマー最大野党、国民民主連盟(NLD)のアウン・サン・スー・チー党首は1日付の国営紙に寄せた国民向けメッセージで「それぞれが母国に対してどんな贈り物をできるか、考えてほしい」と述べた。今春の新政権樹立に向け、長年対立してきた国軍や少数民族武装勢力との協調が重要性を増すなか、改めて全国民に団結を呼びかける狙いだ。
スー・チー党首はメッセージで「母国への貢献に終わりはない。母国の発展と平和、繁栄のため、各国民がふさわしい贈り物をもたらすことを期待する」とした。NLDは昨年11月の総選挙に大勝し、3月末、スー・チー氏主導の新政権が発足する。ただ、依然として国会議席の4分の1は軍人が占めており、国軍との協調は不可欠。少数民族武装勢力との停戦協議も難航している。
一方、ミャンマー国軍トップのミン・アウン・フライン総司令官も、同日付の年頭所感で「2016年はミャンマーの民主主義にとって、重要な年になる。国軍は憲法が定める通り、新政権と協力する」と強調した。