【NQNニューヨーク=横内理恵】2015年の取引最終日にあたる12月31日の米株式市場で、ダウ工業株30種平均は続落した。終値は前日比178ドル84セント(1.0%)安の1万7425ドル03セントだった。年末で市場参加者が少ないなか、持ち高調整の売りが優勢となった。取引終了にかけて売りの勢いが増し、ダウ平均はこの日の安値圏で終えた。
米株式相場には売りが先行した。朝方はニューヨーク原油先物相場が下げていたほか、欧州の株式相場が軟調に推移したことが嫌気された。
12月のシカゴ購買部協会景気指数が市場の予想に反して大幅に低下するなど米経済指標の悪化も市場心理を冷やし、相場の重荷となった。アップルをはじめ幅広い銘柄に持ち高の整理を目的とした売りが出た。年末とあって商いも薄く、値動きが大きくなりやすかった。
15年のダウ平均は年間で398ドル(2.2%)安と、08年以来7年ぶりのマイナスとなった。小売り大手ウォルマート・ストアーズの下落率が最も大きかったほか、建機のキャタピラーやクレジットカードのアメリカン・エキスプレスなどの下げも目立った。アップルも昨年末の終値を下回った。半面、スポーツ用品のナイキやマクドナルド、マイクロソフトが大幅高だった。
ハイテク株比率が高いナスダック/dx/async/async.do/ae=P_LK_ILTERM;g=96958A90889DE2E6E3EBE2EAE2E2E3E5E2E1E0E2E3E29BE0E2E2E2E2;dv=pc;sv=NX総合株価指数は前日比58.435ポイント(1.1%)安の5007.411で終えた。4年連続でプラスを維持し、年間では5.7%上昇した。多くの機関投資家が運用の参考指標とするS&P500種株価指数は4年ぶりに下落した。
業種別S&P500種株価指数(全10業種)では「IT(情報技術)」や「生活必需品」など9業種が下落。「エネルギー」が上げた。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約7億5000万株(速報)、ナスダック市場は約13億8000万株(同)。
31日は通信のAT&Tが安い。2年契約を前提に解約しにくくする「2年縛り」のサービス提供を停止すると伝わり、業績への影響を警戒した売りが出た。ダウ平均ではインテルやマイクロソフトが下落した。
一方で、ゼネラル・エレクトリック(GE)が小幅に上昇した。