【イスタンブール=佐野彰洋】ギリシャの民営化促進機関、ギリシャ資産開発基金は3日、アテネ近郊の高級リゾート施設を4億ユーロ(約520億円)でアラブ首長国連邦(UAE)やトルコの投資家が出資するファンドに売却する契約に調印したと発表した。2016年前半に売却手続きを完了する見通し。
同施設の売却を巡っては、ギリシャの裁判所が住宅建設など開発計画の問題点を指摘し、差し止めていた。ファンド側が計画を修正したことで、調印にこぎ着けた。
欧州連合(EU)の金融支援を受けるギリシャは500億ユーロの公有資産の売却でEU側と合意済み。中国の海運大手、中国遠洋運輸集団(コスコ・グループ)が買収に名乗りを上げているギリシャ最大港のピレウス港の売却も近く決まる見込みで、一連の資産売却に弾みがつきそうだ。