交通事故によって死亡した高齢者の内訳を見ると、歩行中に事故に遭ったケースが目立っている。警察庁によると、横断歩道がない場所で無理に車道を渡ろうとするなどして事故に遭うことが少なくないという。
同庁が2015年12月の段階で公表した同年1~11月の交通事故死者数は3675人で、うち65歳以上の高齢者は1976人。高齢者のうち、「歩行中」に事故に遭ったケースは922人で46.7%を占めた。「自転車乗車中」は340人で17.2%だった。
「歩行中」と「自転車乗車中」を合わせた1262人の7割超が75歳以上だった。
警察庁の担当者は「判断能力や運動機能の衰えの自覚がなく、車のスピードや距離の目測を誤り、渡りきれると思って車道に出てしまうケースなどがある」と説明。各地の警察は、地域で高齢者向けの講習会を開くなどして交通ルールを守るよう呼びかけている。