国がタクシー運転手の乗務1回あたりの走行距離を規制したのは違法だとして、タクシー会社「名古屋エムケイ」(名古屋市)が規制の取り消しなどを求めた訴訟で、最高裁第1小法廷(大谷直人裁判長)は25日までに、国側の上告を退ける決定をし、規制を違法とした一、二審判決が確定した。決定は21日付。
中部運輸局は2009年の公示で、名古屋市を中心とする交通圏のタクシーについて、毎日運転する運転手は1回の乗務の走行距離の上限を270キロと制限した。
一審・名古屋地裁は、安全確保の目的から規制は必要としたうえで、名古屋圏を規制地域に指定したことは「タクシー事故件数の減少などから規制しなければならない状況とはいえず、裁量権の乱用で違法」と判断。二審・名古屋高裁も判断を維持した。
国土交通省は「確定した判決を精査し、対応を検討する」としている。