キヤノンは27日、2016年12月期の連結純利益(米国会計基準)が前期比4%増の2300億円になる見通しだと発表した。半導体露光装置の市場拡大が続いていることから、産業機器事業の売り上げ増を見込む。カラー複合機などを扱うオフィス事業も前期並みの水準となりそうだ。アナリスト予想の平均であるQUICKコンセンサス(21日時点、10社)の2434億円は下回る。年間配当は未定としている。
業績の前提となる為替レートは1ドル=120円、1ユーロ=130円とした。前期実績比では対ドルが1円13銭の円高、対ユーロが4円20銭の円高予想となる。
売上高は1%増の3兆8500億円、営業利益は1%増の3600億円を見込む。モバイル機器などの需要増を背景に露光装置の販売台数が増加するほか、15年に子会社化したスウェーデンのアクシスコミュニケーションズが手掛けるネットワークカメラも大幅な増収を見込む。オフィス機器は横ばいだが、厳しい市場環境が続くカメラ事業は減収となる見込み。
併せて発表した15年12月期の連結決算は、売上高が前の期比2%増の3兆8002億円、営業利益が2%減の3552億円、純利益が14%減の2202億円だった。売り上げでは商業印刷機の新製品などによる寄与があったが、開発投資で費用がかさんだことで増収減益になった。QUICKコンセンサス(21日時点、10社)の2272億円を下回る。年間配当は前の期比横ばいの150円としている。〔日経QUICKニュース(NQN)〕