三越伊勢丹ホールディングスや日本空港ビルデングなどは27日、三越銀座店(東京・中央)に空港型免税店を開業した。沖縄県を除き、空港以外に空港型免税店が開業するのは初めてとなる。百貨店などの売り上げに大きく貢献している訪日客消費の争奪戦が一段と激しくなりそうだ。
三越銀座店にオープンした空港型免税店の化粧品売り場(27日、東京都中央区)=共同
空港型免税店は消費税だけでなく酒・たばこ税や関税も免除となる。海外のブランド品などが割安で購入できる。利用にはパスポートと海外に出国するための航空券が必要。購入した商品は羽田、成田両空港で出国手続きが済んだ後に受け取るので、手ぶらでの買い物が可能になるのも特徴だ。
開業した三越銀座店8階の「Japan Duty Free GINZA」は売り場面積が3300平方メートル。ティファニーやグッチなどの高級ブランドのほか、化粧品や酒、たばこ、日本の伝統工芸品など130ブランドを誘致した。窓から見える銀座の街並みを海に見立て、内装には森や丘をイメージ。自然の中で買い物ができる演出をし、高級感を持たせた。
約160人の販売員の約7割が中国語や韓国語、英語に対応できるという。27日の開店直後に訪れた中国人女性は「今日、免税店ができると聞いてやってきた。ブランド品を見て回りたい」と話した。
当初計画より遅れたが、訪日中国人客などが増える2月の春節(旧正月)前のオープンにこぎ着けた。三越伊勢丹HDの大西洋社長は「銀座の街全体が活性化する」と強調した。
今後は「海外の300~400の旅行会社とつながりがある」(運営会社の山本兵一社長)という強みを生かして認知度を高めていく方針。当初の売り上げ目標は1日3千万円だが、早期に4千万円まで引き上げたい考えだ。
東京・銀座では3月31日に開業する東急不動産の大型商業施設「東急プラザ銀座」に、韓国のロッテグループが運営する空港型免税店が入る。福岡市でも三越伊勢丹HDなどが4月の開業を予定している。