厚生労働省が29日発表した2015年12月の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0.02ポイント上昇の1.27倍と、1991年12月(1.31倍)以来24年ぶりの高い水準だった。上昇は2カ月連続。QUICKがまとめた民間予測の中央値(1.26倍)を上回った。求職者の増加以上に求人が増加した。厚労省は「高齢化により、医療・福祉分野での求人が増え続けているほか、訪日外国人客の増加で宿泊・飲食サービス業でも求人が増えている」とし、雇用の改善傾向が続いているとみている。中国の景気減速による新規求人への影響は見られないとしている。
雇用の先行指標となる新規求人倍率は15年12月に0.02ポイント低下の1.91倍と、2カ月ぶりに低下した。正社員有効求人倍率は0.80倍と、前月比0.01ポイント上昇し、調査を開始した2004年11月以来で最高を更新した。
都道府県別で最も有効求人倍率が高かったのは東京都の1.89倍、最も低かったのは鹿児島県と沖縄県の0.92倍だった。
併せて発表した2015年平均の有効求人倍率は1.20倍だった。上昇は6年連続で、24年ぶりの高水準だった。有効求人数は4.3%増えた。半面、有効求職者数は5.4%減った。〔日経QUICKニュース(NQN)〕