【シリコンバレー=小川義也】米マイクロソフト(MS)が28日発表した2015年10~12月期決算は、売上高が前年同期比10%減の237億9600万ドル(約2兆8200億円)、純利益が15%減の49億9800万ドルだった。注力するクラウド事業は順調に拡大したものの、ドル高や携帯電話事業の不振が響いた。
特別項目を除いた1株利益は0.78ドル(前年同期は0.70ドル)。売上高、1株利益とも市場予想を上回ったことが好感され、同日の時間外取引で株価は一時、同日終値比で約6%上昇した。
売上高を部門別に見ると、基本ソフト「ウィンドウズ」や端末事業が主体の「モア・パーソナル・コンピューティング」部門は126億6000万ドルで、前年同期に比べて5%減少した。再建途上にある携帯電話事業の売り上げが為替の影響を除いたベースで5割近く落ち込んだ。
昨年7月に提供を始めたウィンドウズ10の搭載端末は世界で2億台を突破。昨年10月に発売した同社初のノートパソコン「サーフェスブック」を含むサーフェス事業は為替を除いたベースで29%の増収と好調だった。
ITインフラを提供する「アジュール」を中心とする「インテリジェント・クラウド」部門の売上高は5%増の63億4300万ドル。為替の影響を除いたベースでは11%の増収だった。クラウド関連の売上高は年率換算で94億ドルを突破。サティア・ナデラ最高経営責任者(CEO)は18年6月期までに200億ドルに引き上げるという目標に向け、「順調に進んでいる」と述べた。
業務ソフト「オフィス」を中心とする「プロダクティビティー・アンド・ビジネス・プロセス」部門の売上高は2%減の66億9000万ドル。ただし、為替の影響を除いたベースでは5%の増収だった。クラウド経由で業務ソフトを提供する「オフィス365」の個人利用者数は2060万人と、9月末に比べて240万人増えた。