【NQNニューヨーク=内山佑輔】29日のニューヨーク外国為替市場で円相場は大幅に4日続落し、前日比2円20銭円安・ドル高の1ドル=121円00~10銭で取引を終えた。日銀による追加緩和の決定を受けて円売りが加速した。株式相場や原油先物相場の上昇も円売りを促した。一時1ドル=121円70銭と2015年12月18日以来、約1カ月半ぶりの円安・ドル高水準をつけた。
日銀は金融政策決定会合で、銀行から預かる当座預金につける金利の一部にマイナス金利の導入を決めた。日銀が強い金融緩和の姿勢を示したとの見方から円売り・ドル買いが強まった。
海外の株式相場や米国株式相場が軒並み急上昇したほか、ニューヨーク原油先物相場も上昇。投資家心理が改善して運用リスクが取りやすくなる中で、低金利通貨とされる円は売られやすかった。
午前に発表された1月のシカゴ購買担当者景気指数が市場予想以上に改善したこともドル買いを促した。動きが急として、円売りが一巡した後は持ち高調整を目的とした円買いも入り、取引終了にかけては1ドル=121円近辺でのもみ合いが続いた。
米商務省が発表した2015年10~12月期の実質国内総生産(GDP)速報値は前期比の年率換算で0.7%増だった。7~9月期の2.0%増から大きく減速したが、市場では「10~12月期の伸び悩みはある程度想定済みで、相場への影響は限られた」(邦銀の為替トレーダー)との指摘があった。
円の高値は120円92銭だった。
円は対ユーロで大幅に7日続落し、前日比1円25銭円安・ユーロ高の1ユーロ=131円15~25銭で取引を終えた。日銀のマイナス金利の導入を受け、円売り・ユーロ買いが強まった。
ユーロは対ドルで5営業日ぶりに反落した。前日比0.0105ドル安い1ユーロ=1.0830~40ドルで取引を終えた。持ち高調整を目的としたユーロ売り・ドル買いが優勢だった。
ユーロの安値は1.0810ドル、高値は1.0922ドルだった。