道南が地盤の江差信用金庫(江差町)と函館信用金庫(函館市)が2017年1月をメドに対等合併する。いずれも預金量や貸出金で道内23信金中20位前後と小規模で、預金量は合計2663億円(15年3月末)と合併により12位に浮上する。人口減による資金需要減で厳しい経営環境が続くなか、規模拡大と経営効率化で事業基盤を強化する狙いだ。
16年6月に開く通常総代会を経て合併する。合併後の本店は江差信金の本店とし、理事長に江差信金の藤谷直久理事長、副理事長に函館信金の上條博英理事長が就く。名称は今後決める。
函館市内で記者会見した江差信金の藤谷理事長は「人口減・高齢化社会のなかで、経営効率化による体質強化により多様化・高度化する顧客の要望に応えられる」と合併の狙いを説明した。
3月26日の北海道新幹線開業を機に道南で観光業などで資金需要が盛り上がる見込み。函館信金の上條理事長は「(合併により)より充実した金融サービスができる」と強調し、新幹線特需に対応する姿勢も示した。
合併後の職員は「引き続き雇用する。今のところは人員リストラは考えていない」(江差信金の藤谷理事長)という。店舗の統廃合については今後議論していく。
15年3月期決算の最終利益は、江差信金が4億円、函館信金は6億200万円だった。低金利のなか2信金ともに運用収益が減少している。