1日の金融市場では、日銀が前週末にマイナス金利政策の導入を決定したことを受け、長期金利が大幅に低下した。長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りは一時、前週末比0.045%低い(債券価格は高い)0.050%を付け、前営業日の1月29日に続き過去最低を更新した。2日間の低下幅は0.170%に達した。
日銀は1月29日の金融政策決定会合で民間金融機関が日銀に預けるお金のうち、2月16日から新たに預ける分にマイナス0.1%の金利を適用すると決めた。これにより短期金利が押し下げられ、長期金利にも影響が及ぶとの見方が広がっている。
銀行や生命保険会社などは資金運用のために、金利がプラス圏にとどまっている長めの国債への買い需要を高めている。「長期金利は民間金融機関による日銀への預金金利の引き下げ分(0.2%)程度は下がってもおかしくない」(JPモルガン証券の山脇貴史氏)との指摘もある。
2年債や5年債、20年債など幅広い国債の利回りが過去最低を付けた。5年債は一時、前週末比0.030%低いマイナス0.100%まで下がり、日銀のマイナス金利の水準に並んだ。20年債は一時0.050%低い0.740%で2003年6月以来12年半ぶりに過去最低を更新した。
一方、外国為替市場では円相場が1ドル=121円台前半で推移している。29日の海外市場では121円70銭まで円売り・ドル買いが進み、1カ月半ぶりの円安水準となった。その後はやや利益確定の円買い・ドル売りに押されている。