【ニューヨーク=稲井創一】米中堅航空会社のヴァージン・アメリカが身売りを検討していることが28日までに明らかになった。米格安航空会社(LCC)のジェットブルーと米アラスカ航空が買収を提案したという。米通信社ブルームバーグが報じた。買収額などは明らかになっていないが、早ければ来週にも発表されるという。
ヴァージン・アメリカは英著名起業家、リチャード・ブランソン氏が創設したヴァージングループ傘下で、主に米国内線を展開する。サンフランシスコを主要空港に、米東海岸の都市を結ぶ路線を得意とする。
買収を目指すジェットブルーは東海岸ニューヨークのジョン・エフ・ケネディ空港を主要拠点に、全米とカリブ諸国などに路線を展開。ヴァージンとは地域的な補完関係が見込める。シアトルを拠点にするアラスカ航空はヴァージンを取り込むことで経営基盤を強固にできる。
米航空業界は2013年12月にアメリカン航空とUSエアウェイズとの合併で、アメリカン航空グループ、デルタ航空、ユナイテッド航空の大手3社体制が確立した。大手3社はそれぞれの拠点を核にして全米で路線展開を強化。経営体力の劣る中小航空会社は大手への対抗策が課題になっていた。