バルト海の公海上を航行していた米軍のミサイル駆逐艦「ドナルド・クック」にロシア軍の戦闘機やヘリコプターが11、12両日にわたり異常接近していたことがわかった。米国防総省が13日明らかにした。駆逐艦に約9メートルまで接近しており、米国防総省は「重大な衝突につながる危険な行為」と非難している。
同省によると、ロシア軍の2機の戦闘機スホイ24が11日、ヘリコプターの着艦訓練をしていた駆逐艦の周囲を20回にわたって低空飛行した。翌12日にも2機が11回、接近を繰り返した。ロシア軍のヘリ1機も駆逐艦の周りを7回低空飛行し、写真撮影をした。その際、実際の攻撃を想定したような動きをみせたという。米軍はロシア語と英語で無線連絡をしたが、ロシア機からは応答がなかったという。
アーネスト米大統領報道官は13日の会見で「最近、深刻な安全上の問題を起こすロシア軍の行動が続いており、懸念している」と述べた。(ワシントン=峯村健司)