主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が14日夜(日本時間15日午前)、米ワシントンで開幕し、初日は世界経済を中心に議論した。急速な円高が進むなかで為替について議論し、「通貨安競争」を回避する方針を確認した。15日に共同声明を採択して閉幕する。
麻生太郎財務相は初日の会合後、G20で通貨安競争回避の方針を確認したと話した。会合では、円高などが進む国内の経済情勢について説明。景気を下支えする対策として、2016年度当初予算を前倒し執行して対応していることなどを伝え、日本の財政政策について理解を求めた。
年初からの世界的な金融市場の混乱は落ち着きつつあるが、世界経済の成長は想定を下回り続ける。国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は開幕前の14日の記者会見で、「景気回復が弱く、遅すぎる。協調をより強める必要がある」と各国に対応を求める方針を示していた。
麻生氏はまた、開幕前にルー米財務長官と会談し、一方的な円高への懸念も表明した。通貨安競争を回避するG20の方針は「国内政策目的の(マイナス金利などの)金融政策の行使を制約しないという認識で一致した」という。ラガルド氏は最近の円高に関しては、「破壊的な市場の動きを防ぐ時のみ、(市場介入は)正当化される。日本の市場の動きを注視している」と述べた。(ワシントン=大津智義、五十嵐大介)