大和晃さん 南阿蘇村の災害対策本部などによると、新たに連絡がとれないことが判明したのは、熊本県阿蘇市に住む熊本学園大4年の大和晃(やまとひかる)さん(22)。土砂災害で崩落した同村の阿蘇大橋付近で足取りが途絶えた可能性があるという。現場は土砂の崩落が激しく、捜索は始まっていない。 「早く見つかって」 捜索続く南阿蘇村の土砂災害現場 特集:熊本地震 ライフライン情報など 熊本地震 災害時の生活情報 「救助が厳しい現場かもしれないが、早く捜索してもらいたい。どんな形でもいいので見つけてほしい」 18日、村役場で説明を受けた大和さんの父卓也さん(57)は涙ぐんだ。 卓也さんと母忍さん(48)の説明では、大和さんは当時、熊本市内から乗用車で帰宅する途中だったとみられる。16日午前1時25分の「本震」の少し前、大和さんの車が同県菊陽町を阿蘇大橋や阿蘇市の方面に向かって走る様子が「Nシステム」(ナンバー自動読み取り装置)に記録されており、警察が確認したという。 大和さんは前日から熊本市内の友人宅に遊びに行っていた。卓也さんは「本震」の約10分後、大和さんの携帯に電話したがつながらなかった。16日早朝には友人から「大和さんと(通信アプリの)LINEのやりとりができない」と連絡があった。 その後、別の知人からも「16日午前0時半ごろに友達の家を阿蘇市に向けて出発したようだ」と連絡があった。16日にはアルバイトや卓也さんの農作業の手伝いを予定していた。そのため、深夜に帰宅しようとしたのではないかと卓也さんらは推し量る。 兄と2人兄弟。小学生の頃からサッカーなどスポーツ好きで、中学・高校ではバスケットボール部に所属した。大学ではボランティアサークルに携わっていた。地元のガソリンスタンドでアルバイトし、家業もよく手伝った。仲の良い友達が多く、将来は県内企業への就職を目指していた。 母親の誕生日にはメールで「おめでとう」と祝ったという。忍さんは「手伝いのために無理に帰ろうとしたのでは……。(14日の)地震があったので遠くに出かけないように声をかけてやるべきだった。後悔しています」と泣き崩れた。 祖父則義さん(81)は「どこかへ行く時はいつも家族に伝えていた真面目な孫。連絡がつかないことはなかった」と不安そうに話した。心配した友人も実家を訪ねてきたという。「明るい性格で優しい孫だったので、友達も多かったのだろう」 アルバイト先のガソリンスタンド店主の男性(46)は、大和さんのアルバイト仲間を通じてLINEなどで連絡を試みたが、いまも返事はない。「ただ、無事であってほしいと祈るしかない。同僚も心配している」(吉村治彦、平良孝陽、石川春菜) |
男子大学生と連絡取れず 阿蘇大橋付近?足取り途絶える
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