熊本地震の主な被害
熊本県を中心に14日から続く地震による土砂災害に巻き込まれたとみられる8人の安否が分かっていない熊本県南阿蘇村では、19日も自衛隊や消防、警察が捜索に当たった。19日朝には同村で新たに女性1人が心肺停止状態で見つかり、死亡が確認された。地震による死者は計45人となった。
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熊本地震 災害時の生活情報
女性は19日午前8時ごろ、同村河陽(かわよう)の高野台地区で見つかった。同地区は4戸が土砂で埋まり、2戸が半壊。6人の安否が分かっていない。女性はまもなく死亡が確認され、県警が身元を調べている。
19日未明には被災者の生存率が著しく下がる72時間を過ぎたが、自衛隊は「余震が減ってきており、土砂崩落の可能性も低い」として高野台地区では24時間態勢で捜索するとしている。
18日夜に死亡が確認された香川県の鳥居敬規(たかのり)さん(42)が見つかった同村長野の「ログ山荘火の鳥」付近では、鳥居さんとともに同山荘に宿泊していたという妻の捜索が続けられている。
一方、土砂災害で崩落した同村の阿蘇大橋付近では、熊本県阿蘇市に住む熊本学園大4年の大和(やまと)晃(ひかる)さん(22)が車で通りかかって巻き込まれた可能性があるが、被害が激しく捜索のめどは立っていない。自衛隊関係者は「崩落の危険性があるが、国土交通省とも相談し、できる限り早く捜索に着手したい」と話した。
熊本県内では被害の復旧に向けた取り組みが進み、熊本空港は19日から航空機の運航を再開した。JRは豊肥線の一部区間で運転を再開したが、九州新幹線は運転再開のめどが立っていない。
ライフラインの回復は遅れており、水道は約11万戸で断水し、電力は約1万3千戸で停電。西部ガスは約10万5千戸で都市ガスの供給を停止している。