ローソン阿蘇高森店では従業員が配送されてきた商品を並べた=19日、熊本県高森町、柴田秀並撮影
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被災地では多くのコンビニエンスストアが営業を再開している。大手コンビニ3社の店舗でみると、19日午後6時現在で、熊本県内では全体の約97%が再開しているという。飲料水や食料品を優先的に出荷し、全国から応援社員を集めるなど、過去の震災で培ったノウハウを生かした。
ただ、飲料水などの売り切れは相次いでおり、従業員も不足していて、営業時間を短縮している店がかなりある。通常の品ぞろえで24時間の営業ができるまでには、なお時間がかかりそうだ。
熊本県高森町の「ローソン阿蘇高森店」に19日午前、トラックが到着した。食べ物が届くのは16日未明の地震以来で、オーナーの住吉哲郎さん(36)は「やっときた」と話した。
おにぎりやサンドイッチ、弁当などを棚に並べると、さっそく住民や復旧作業員らが買い求めていた。近くに住む岩下能子さん(49)は「近くで食べ物が買えて本当に助かる」と、5千円以上購入した。
ローソンは本部から約120人を熊本県に派遣し、18日には玉塚元一社長も現地入りした。少ないトラックでも効率よく運べるように、配送する商品を飲料水や食料品などに絞り込んだ。20日はパンを東京から空路で熊本に届ける予定だ。東日本大震災などの事例をもとに、緊急時の対策を準備してきたという。
セブン―イレブン・ジャパンは、建物が大きな被害を受けた南阿蘇村の1店舗を除き、288店が営業。熊本県内に4カ所ある食料品の工場が被災したため、福岡県でも代わりに生産して商品を確保している。設備の改修などで24時間営業ができないケースもあるが「各店長の判断によって、できるだけ開店する方針にしている」という。
ファミリーマートは、弁当などをつくる工場が被害を受け、長崎県や福岡県などからも商品を送っている。宮崎県産の自社ブランドのミネラルウォーターを集中的に届けている。
一方、規模が大きいスーパーは復旧を急ぐが、再開できない店も残る。
イオン九州は熊本県内に総合スーパーが8店舗あり、19日時点では熊本店が休業。宇城店など3店は駐車場で販売した。
熊本県内に20店を展開するサンリブ・マルショクグループは、サンリブ健軍など5店で再開のめどが立っていない。ゆめタウンなどグループで33店あるイズミは、16店が休業している。