車中泊をする避難者でいっぱいになった展示場「グランメッセ熊本」の駐車場=18日午後8時37分、熊本県益城町、加藤諒撮影
駐車場にとめたワゴン車の座席のドアが開いた。18日午前7時ごろ、熊本市内。降りてきた女性(51)はふらつくと、顔からバタリと倒れ込み、いびきをかき始めた――。その場に居合わせた家族は、親族にそう話したという。女性は救急搬送されたが死亡が確認された。死因は肺動脈血栓塞栓(そくせん)症。一連の地震で初めて「車中泊」によるエコノミークラス症候群での死者だった。
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熊本地震 災害時の生活情報
女性の自宅は、16日未明の「本震」で屋根瓦が落ち、ブロック塀が崩れた。親族によると、日中は家族とともに屋根瓦の応急手当てをしたり、周辺を片付けたりし、夜になると、車に毛布や弁当を積みこんで、家族5人で寝泊まりした。時々血圧が高いことを除けば持病はなかった。親族は「家の壁にひびが入り、屋内は怖かったんだと思う」と話す。
大きな余震が続く熊本県内。建物の倒壊を恐れ、車の中で夜を過ごす避難者の姿があちこちにある。