新水俣との間で運行を再開し、鹿児島中央駅に到着した始発の九州新幹線つばめ=20日午前6時13分、鹿児島市中央町、中島健撮影
6日ぶりに新水俣(熊本県水俣市)―鹿児島中央(鹿児島市)で運行を再開した九州新幹線。乗客は改めて便利さを感じていた。
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午前6時2分に川内駅(鹿児島県薩摩川内市)を出発した下り始発列車は11分後に鹿児島中央駅に到着。鹿児島市の高校に通う薩摩川内市の高校3年の女子生徒(17)は運休の間、在来線で約1時間かけて通った。「改めて便利だなと思いました」
午前7時9分着の列車では、出水駅から乗車した自動車販売会社員、花田幸知さん(55)が降りてきた。運休中は在来線などを乗り継ぎ、3時間以上かかることもあった。「ありがたみが改めて分かりましたね」
午前6時27分鹿児島中央発の上り始発列車は新水俣駅に6時57分に到着し、会社員ら6人が降りた。
鹿児島市から水俣市に通う小学校講師の折田美幸さん(48)は「ほっとしました」。新幹線だと職場まで1時間程度だが、運休中は車で2時間かかった。水俣市でも揺れが続き、不安を訴える児童もいる。「子どもの様子に変わりはないか注意しています」
熊本市の自宅が被害に遭い、避難所から出勤して勤務を続ける駅員の男性(28)は「余震を警戒しています。安全第一で業務にあたりたい」と話した。
新水俣から熊本市方面には肥薩おれんじ鉄道で肥後高田まで行け、19日午後から肥後高田―八代は運休中。JR九州の在来線も八代―熊本間は再開のめどが立っていない。
九州新幹線の開通区間は20日、本数を減らし、上下16本ずつの臨時ダイヤで運行される。新水俣―博多間は回送車両の脱線や施設の損傷などの影響で運行再開の見通しは立っていない。(中島健、田中久稔)