ちばてつやさんは、くまモンに扮した自身の写真と共に絵を公開した=ちばてつやさんのブログから(C)2010熊本県くまモン
熊本地震の被災地を、熊本県のマスコットキャラ「くまモン」の絵で応援しようという動きが、ツイッター上で盛り上がっている。著名な漫画家らが自身の漫画のキャラクターと共に描いたり、一般の人が避難所で役立つ知識を描いたりしている。「厳しい避難生活を少しでも和らげてほしい」という思いが込められている。
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きっかけを作ったのは、漫画家の森田拳次さん(76)。地震発生後、「苦しい中で、笑いが救いだった」という旧満州からの引き揚げ体験を思い出した。けがをしたくまモンの絵に「クマモンがクマっている 助っ人にいくベア」と言葉を添え、友人で「あしたのジョー」の作者、ちばてつやさん(77)に16日、ファクスで送った。
これを、ちばさんがブログで公開。この絵を見たボクシング漫画「はじめの一歩」の作者、森川ジョージさん(50)は、「これだ」と思った。「現地の邪魔にならず、漫画家の僕にもできることを気づかせてくれた」。くまモンの絵を描き、ツイッターに投稿したところ、共感した人たちがハッシュタグ「#くまモン頑張れ絵」と共に次々に投稿し始めた。
「現地は通信状況も悪くてそれどころじゃないだろうけど、いつか落ち着いた時に見て楽しんでくれる人がいれば」と森川さん。
漫画家以外にもくまモンの絵での励ましが広がる。兵庫県明石市の洋服店経営、熊野紀彦さん(43)は、ポリ袋で作る簡易オムツの作り方を描き、投稿した。自身も2人の子がいて、「もし自分が被災したら、オムツのことは困るだろうな」と考えた。初めてツイートしたところ、6千回以上リツイートされた。
46万人のフォロワーがいるくまモンの公式ツイッターは14日の地震以降、つぶやいていない。県によると、地震への対応を優先しているという。また、県は19日、被災地支援のための募金などに使う場合に限り、デザイン画の使用届け出だけで使用を認めると発表した。(仲村和代)