専門学校の校舎建設などを手がける「工新建設」(東京都新宿区)の名取勲・元副社長(68)が、外注費を水増しするなどして得た約3億7千万円を申告せず、所得税約1億4千万円を脱税したとして、東京国税局が所得税法違反の疑いで東京地検に告発したことがわかった。
関係者によると、名取元副社長は2013年までの3年間、工新建設から下請け数社に外注費を水増しして支出。一部を現金で戻させていたが収入として申告しなかった疑いがある。預金のほか、株や賃貸マンションの購入などにも充てていたという。
工新建設の甚野健二常務は「詐欺や業務上横領容疑での告訴も検討している。全社員への法令順守の再徹底を図りたい」とコメントした。民間信用調査会社によると、同社の15年11月期の売り上げは約99億円。