雨のため捜索は中断され、自衛隊員が現場の状況を調べていた=21日午前9時30分、熊本県南阿蘇村の高野台地区、遠藤啓生撮影
熊本県は21日、一連の地震の始まりとなった14日夜の「前震」の発生から1週間を迎えた。県内は大雨と暴風の警報が出る荒れた空模様になり各地で避難指示が出された。予定されていた安否不明者の捜索は悪天候で中断された。
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県などによると、21日までに明らかになった地震による直接の死者は48人、災害のショックや避難生活の疲労などによる災害関連死の疑いは10人。安否不明者は南阿蘇村に2人いる。
福岡管区気象台によると、熊本県内は21日の昼ごろを中心に、雷を伴った非常に強い雨が降ると見込まれている。同県西原村は21日朝、525世帯1573人に避難指示を出したほか、すでに避難指示を出している同県南阿蘇村も21日朝、新たに132世帯351人に避難指示を発令した。近隣自治体の体育館などに避難しているという。
県によると、21日午前9時現在、県内の658カ所に約10万人が避難している。半数以上の約5万3千人を熊本市が占めるほか、被害の大きかった益城(ましき)町でも約1万1千人、阿蘇市でも約6千人が避難生活を送っている。
熊本県は20日、被災者の住宅支援を担当するプロジェクトチームを設置した。多くの県民が現在避難している体育館などの代わりに、民間アパートの借り上げや仮設住宅の建設などによる対応を検討する。