立ち入り検査のため、三菱自動車技術センターに入る国交省の担当者ら=21日午前9時14分、愛知県岡崎市、戸村登撮影
三菱自動車が軽自動車の燃費を実際よりも良く見せるため、燃費試験データを不正に操作していた問題で、国土交通省は21日、道路運送車両法に基づき、不正があった4車種を開発した同社技術センター(愛知県岡崎市)に立ち入り検査を行った。
三菱自動車、燃費試験データを不正操作 4車種62万台
国交省の担当者3人が午前9時すぎ、立ち入り検査に入った。20日に続く検査で、社員への聞き取りや書類確認を進めて不正の実態把握を目指す。
三菱自は、2013年6月から販売した「eKワゴン」など4車種について、燃費試験で使用されるタイヤの抵抗や空気抵抗のデータを意図的に操作し、実際より燃費を5~10%良く見せていたと公表。国交省によると、燃費試験データの不正操作は国内で初めてという。
技術センターでは、従業員らが厳しい表情で勤務に向かった。20代の男性社員は「残念の一言。我々は与えられた仕事を粛々とするだけ」。センターで働く関連会社の男性社員は「一緒にやってきたのでお客さまに申し訳ない思い。日産から指摘を受けるまで気付けなかったのか」と話した。
国交省は同社に対し、不正の詳細な内容を27日までに報告するよう指示した。併せて国内の他のメーカーにも、同様の不正が行われていないか社内調査するよう求めている。