「危険」の赤い紙が貼られた被災家屋の周辺で片付けを手伝う災害ボランティアら=24日午後、熊本県益城町、筋野健太撮影(貼り紙の名前にモザイクをかけています)
24日に判明した熊本地震による熊本県内の7市町村の被災建物の応急危険度判定の速報値では、「危険」と判定された物件が4062件に上った。暫定値ながら、東日本大震災の約1万2千件、阪神・淡路大震災の6476件、新潟県中越地震の5243件に次ぐ規模だ。
特集:熊本地震 ライフライン情報など
特集:あなたの街の揺れやすさを住所でチェック
熊本地震 災害時の生活情報
判定は、余震による倒壊など二次災害を防ぐために行う。ただ、被災状況を「全壊」「半壊」などと自治体が判断する「罹災(りさい)証明」とは異なる。近くのがけ地の崩落や隣家の瓦の落下などの恐れも判定するため、「危険」が直ちに「全壊」ということではない。
実際、東日本大震災では「危険」と判定された住宅が、修理や耐震補強で「半壊」と判断され、その後も居住できた事例もあった。
一方、応急危険度判定の結果は、仮設住宅の建設計画の目安になる。県や市町村は今後、判定結果と被災者の入居意向などをもとにして、被災者の住宅再建に向けた施策を具体化していくことになる。(中村信義)