地元の子どもたちと、ろうそくに火をともす吉岡昌子さん(中央)。真ん中の二つが神戸から持参した竹灯籠(どうろう)=24日、カトマンズ、貫洞欣寛撮影
9千人近い犠牲者が出た大地震から1年となるネパール。21年前の阪神・淡路大震災の経験者と、神戸在住のネパール人が24日、神戸での追悼行事で使われてきた竹灯籠(どうろう)をカトマンズのボダナート寺院でともし、この地の犠牲者と阪神大震災の犠牲者らをともに追悼した。
昨年4月25日のネパール地震発生直後、神戸在住のネパール人のダンス指導者プリタム・ラマ・ゴレさん(32)を中心に被災者を支援するNGO「ネパール震災プリタム実行委員会」が結成され、被災者への支援物資の配布や、地震で親を失った子どもたちへの学資支援などを続けてきた。
同会理事の吉岡昌子さん(72)が、神戸市中央区の東遊園地で開かれる「1・17のつどい」で竹灯籠をともしてきたボランティア団体から、2本の灯籠を譲り受けた。渡された灯籠には「共助」「祈り」と書かれており、「ネパールと日本が共に助け合いたい」という意味が込められているという。
阪神大震災の被災者でもある吉岡さんはボダナート寺院で「神戸の人はこの明かりを見て、亡くなった人を心にとどめ、がんばろうと思ってきた。ネパールのみなさんもがんばってください」と語り、地元の人たちと共に並べたろうそくなどに、神戸で燃え続ける阪神大震災の鎮魂の炎「1・17希望の灯(あか)り」から分灯した火をつけた。(カトマンズ=貫洞欣寛)