坂口新吾さん
熊本県が25日、災害関連死の疑いがあるとした同県宇土市の坂口新吾さん(89)。18日朝、入居していたグループホームの布団の中で、心停止で亡くなっているのを職員が見つけた。市によると、持病もなかったことなどから災害関連の疑いと判断されたという。
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3階建てのホームでは14日の「前震」の後、入居者ら16人全員を1階の廊下や広間で寝かせていた。もともと3階の個室に入っていた坂口さんは職員に、「1階で寝るのはいやだ」と話していたという。職員は「すぐ逃げられるようにと思ったが、高齢者に環境の変化はつらかったと思う」と唇をかんだ。
息子の親史(ちかし)さん(63)によると、坂口さんはミカン農家。「頑固一徹なおやじだった。地震後、自分もテントや車中泊を続けていて引き取れなかったのが申し訳ない」と話した。