日本年金機構は28日、年金記録を訂正する必要のない約1万9千人に訂正手続きを求める文書を誤って郵送していたと発表した。会社員に扶養されていた配偶者で、年金保険料を支払う必要のない人が対象となった。機構は、おわびの文書を発送して知らせる。
会社員が退職して扶養から外れた配偶者は、これまで保険料を支払っていない場合も年金受給前なら保険料を払う必要が生じる。機構は、大手企業などがつくる健康保険組合の被扶養者情報と機構の年金記録を照合し、扶養から外れたのに手続きしていない人を洗い出す作業を初めて実施。システム上、記録にズレがあるとされた約6万人に対し、機構は22日付で訂正手続きを求める文書を送った。
文書では、訂正しなければ「年金の減額や受け取れなくなる可能性がある」とし、5月6日までの手続きを要求。手続きをしない場合は、年金事務所で記録を訂正する場合があると記していた。誤送付された約1万9千人は、企業の合併などでシステムが誤ってズレがあると判定した。文書が届いた横浜市内の男性(66)の妻はずっと専業主婦で扶養から外れたことはなかったといい、「身に覚えのない文書を送られて不愉快だ」と話す。
機構は専用電話(0120・216・575)を設け、大型連休中も午前8時半~午後5時15分に問い合わせを受ける。(久永隆一)