事故の現場下に設けられた献花台で手を合わせる遺族=29日午前4時44分、群馬県藤岡市、三浦淳撮影
群馬県藤岡市の関越道で乗客7人が死亡し、運転手を含む39人が重軽傷を負った高速ツアーバス事故から29日で4年を迎えた。遺族は再発防止を願ってきたが、今年1月には長野県軽井沢町でのスキーツアーバス事故で、悲劇は繰り返された。遺族は複雑な思いで祈りを捧げた。
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事故が起きた午前4時40分、事故現場直下の高架下に設けられた献花台前。遺族ら約30人が集まった。
「何回来ても、あの日に引き戻されてしまう場所。寂しい、会いたいという思いは消えない」。長女の紗知さん(当時19)を亡くした宮下恵子さん(55)=富山県高岡市=は何度も上を見上げ、目を赤くした。
石川県白山市の岩上剛さん(44)は一人娘の胡桃(くるみ)さん(当時17)を失った。軽井沢町のバス事故で亡くなった15人のうち13人は胡桃さんと同世代。「安全より利益を求める社会を変えないと、今後も事故は起きる。これ以上の犠牲者は勘弁してほしい」
母の郁子さん(当時49)を亡くし、自らも重傷を負った林彩乃さん(27)=富山県高岡市=は「大きな事故が起きるたびに(関越道の事故が)経験として生かされているのかな、と疑問に思ってしまいます」と話した。