メーデー中央大会で「ガンバロー」を三唱する参加者ら=29日午前、東京・代々木公園、越田省吾撮影
連合主催のメーデー中央大会が29日、東京の代々木公園で開かれ、非正規労働者の待遇引き上げなど「底上げ」をスローガンに掲げた。会場では、連合の主張と重なる施策を打ち出した政府や、向き合う連合の姿勢に注文をつける声も聞かれた。
主催者発表で4万人が参加した。連合の神津里季生会長はあいさつで「みかけの失業率は改善しているが、中身は非正規の増加。放置すれば格差はさらに広がる」と指摘。非正規の賃上げが進んだことなど、今年の春闘の成果を訴えた。
塩崎恭久厚生労働相は「正規労働者は8年ぶりに増加に転じた」などとアベノミクスの成果をアピールしたほか、正規と非正規の格差を縮める「同一労働同一賃金」や、最低賃金の引き上げなどにも取り組むと強調した。神津会長は「いい政策であれば実現して頂きたい」としながらも、「7月の参院選が過ぎた途端、態度が変わってはいけない」と釘を刺した。
メーデーに参加した東京都の男性(40)は「政府は本当に非正規のために同一労働同一賃金を主張しているのか疑問だ」と、正社員化に取り組むよう求めた。東京都の女性(63)は「連合の姿勢があいまい。もっと強気の主張で求心力を高めてほしい」と話した。(北川慧一)