改修工事が終わった小田原城天守閣=28日午前、神奈川県小田原市、諫山卓弥撮影
神奈川県小田原市の小田原城天守閣が、再建後56年で初の大改修を終え、28日に報道向けの内覧会があった。耐震性を強化したほか、展示を刷新。5階建ての最上階に江戸時代と同様の区画を小田原産の木材で復元し、小田原藩主がまつった武家の守護神「摩利支天像」を安置した。5月1日から一般公開される。
1~4階は展示室やシアター。16世紀に北条氏政の弟の氏規が使ったとされる鎧(よろい)を新たに展示した。氏規の子が藩主になった狭山藩に伝来し、市が購入した。
北条家ゆかりの品とされる尺八の「一節切(ひとよぎり)」も初めて披露。豊臣秀吉の小田原攻めのドラマなども上映する。
明治維新で解体された天守閣は、1960年に鉄筋コンクリートで再建された。今回の改修で耐震壁を設け、耐震指標は国土交通省が倒壊や崩壊の危険性が低いとする範囲に入った。地震で被災した熊本城の修復を支援するため、小田原市は公開初日の入館料収入全額を熊本市に寄付する。(村野英一)