シリア・アレッポで28日、空爆された病院の被害を調べる人たち=ロイター
シリア北部アレッポで「国境なき医師団」(MSF)が支援する病院が空爆されたことをめぐり、ケリー米国務長官は28日、声明で空爆がアサド政権軍によるものとの見方を示し、「医療施設を狙った故意の空爆とみられる」とした。
ケリー氏は「攻撃を取り巻く状況を調べている」としながらも「アサド政権はこれまでこのような施設や救助隊を攻撃してきた」と指摘。さらにロシアが、アサド政権に対して市民への攻撃停止や停戦合意を守るように圧力をかける必要性を強調した。
また、ホワイトハウスのアーネスト大統領報道官も同日の記者会見で、今回の空爆が「アサド政権の戦略に合致している」と話した。さらに「アサド政権側による度重なる停戦合意違反は、政治的な交渉に悪影響を及ぼす」として、崩壊しつつあるジュネーブでの和平交渉の責任をアサド政権に求めた。(ワシントン=杉山正)