安倍晋三首相は29日放送の日本テレビの番組で、憲法9条について「(自衛隊を)憲法学者の7割が『違憲だ』と言っている状況のままでいいのかということに真剣に向き合わなければいけない」と述べ、改正に改めて意欲を示した。
夏の参院選で憲法改正の発議に必要な3分の2以上の議席確保をめざすのかと問われると、「私たちだけで3分の2を取るのはほとんど不可能に近い。与党以外の政党、個人の皆さんをいかに集めることができるかだ」とし、野党も取り込んで3分の2をめざす考えを示した。また、「いま思考停止している政治家、政党の皆さんに真剣に考えてもらいたい」とし、改正に消極的な野党を牽制(けんせい)した。
一方、熊本地震を理由に来年4月の消費増税を延期するのではないかとの見方については「この震災と消費税を結びつけて考えていくいとまはない。まずは震災対応に全力を尽くす」と強調した。また、5月下旬の主要7カ国(G7)首脳会議(伊勢志摩サミット)の時期に合わせて延期の判断をするかと問われると、「それはありません」と否定した。(河合達郎)