プロ野球・巨人の元投手らによる野球賭博事件で、賭博開帳図利幇助(ほうじょ)容疑で逮捕された笠原将生(しょうき)容疑者(25)が、警視庁の調べに「1試合最大で100万円程度賭けた」と説明していたことが、捜査関係者への取材でわかった。同庁はこれらの賭け金が暴力団に流れていなかったか、実態解明を進めている。
特集:野球賭博問題
笠原容疑者は、松本竜也(23)、高木京介(26)の両元投手から賭け金を集め、胴元とされる斉藤聡容疑者(38)の賭博を助けたとして逮捕された。さらに笠原容疑者自身も、斉藤容疑者との間でプロ野球の10~20試合、別の賭博相手とも約10試合で現金を賭けていたことが日本野球機構(NPB)の調査結果でわかっている。
捜査関係者によると、笠原容疑者は警視庁の任意の聴取に対し、賭け金について「1試合で少なくとも数万円、多いときは100万円程度を賭けていた」と説明。所属していた巨人の試合以外の勝敗を予想して賭けていたといい、斉藤容疑者とは現金を手渡しで授受していたという。
一方、斉藤容疑者との賭博の結果について、笠原容疑者は「とんとん(損得なし)だった」と朝日新聞の取材に答えていた。
笠原容疑者は賭けの仲介役として、他の選手から現金を集めていたとされる。巨人の調査によると、高木元投手は8~9試合を対象に1試合10万~15万円を賭けていた。松本元投手は朝日新聞の取材に、賭け金の総額が数百万円に上る、と明らかにしている。