オバマ米大統領が4月30日、ホワイトハウス記者クラブ主催の夕食会で、大統領選の各候補を毒舌でなで切りにした。発言が物議を醸すトランプ氏と保守強硬派のクルーズ上院議員ら共和党の候補を料理のメニューに例えて、「肉や魚が嫌いでも、それしか選択肢がない」と皮肉った。
毎年恒例の同夕食会では大統領がジョークを交え、ユーモアたっぷりに演説するのが通例だ。今回がオバマ氏にとって最後の会ということで、後任を選ぶ大統領選が話題の中心に。
オバマ氏は、トランプ氏の外交手腕への懸念が強まっていることを念頭に「彼は世界中のリーダーと会談を重ねてきたことは確かだ。ミス・スウェーデンらとね」。「ミス・ユニバース」の運営経験を持つ同氏を皮肉り、笑いを誘った。
一方、大統領候補で唯一会場に姿をみせた民主党のサンダース上院議員には、「バーニー(・サンダース)現象には多くの人が驚かされた」と語り、貧富の格差拡大を批判する同氏への支持に感嘆した。ただ、「来年のこの時期は、ほかの人がこの場所に立つだろう。『彼女』が誰であるか、だれも予想できない」と述べた。後任に、現在唯一の女性候補であるクリントン前国務長官が就くだろうと示唆した形だ。(ワシントン=佐藤武嗣)