水を吹きつけながら干潟を引く「貝桁」を船に運び込む漁師たち=4日午前5時56分、熊本市西区、遠藤啓生撮影
国内有数のアサリ産地・有明海に、熊本地震が影を落としている。阿蘇地方の土砂が崩れ、有明海に注ぐ白川を伝って赤土が流れ込んだためだ。県は河口に広がる干潟でアサリが窒息死しているのを確認。地元漁協は4日、干潟に積もった赤土の除去を始めた。
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4日午前6時、白川河口に近い小島漁港(熊本市西区)を5隻の漁船が離れ、2、3メートルの潮がはった干潟を進んだ。干潟には汚泥化した赤土が積もる。漁船は数百メートル沖にあるアサリの漁場に着くと、ポンプを使って水を吹きつけながら、「貝桁(かいけた)」と呼ばれる道具で干潟を引いて回った。
潮目が干潮に変わる頃合い。砂地を覆った赤土を浮き上がらせ、引き潮で沖に流す仕組みだ。