トランプ氏の主な政策
共和党主流派の抵抗を押し切り、「異端」のトランプ氏が同党の指名獲得を確実にした。排他主義・差別的発言で物議を醸す一方、社会や生活の現状に不満と怒りを抱く人々の間で支持を広げた。同氏は党内の亀裂を抱えつつ、早くも民主・クリントン前国務長官との対決を見据える。「分断大国」は一層混迷しそうだ。
トランプ氏、共和党の指名確実な情勢 クルーズ氏が撤退
米大統領選、ケーシック氏も撤退へ 米メディア報じる
特集:米大統領選2016
過去最多の17人が立候補した共和党の候補者指名争いは、トランプ氏が頂点に立つことになった。
メキシコ国境沿いの壁の建設やイスラム教徒の入国制限を提案するなど、一連の発言は党内外で分断を生んだ。しかし、当初は「一過性の人気」と軽視した専門家の見立てとは裏腹に、独走を続けた。メディアも一挙手一投足を追い、常に話題の中心にいた。
国内の格差が広がる中、中間層から滑り落ちつつある人々や、政治の現状に不満を持つ人たちが増えている。こうした傾向は、保守の草の根運動「茶会」の台頭といった形で数年前から表面化していたが、トランプ氏は人々の不満や怒りをさらに駆り立てるような言動をして、求心力につなげた。
「米国は負け続けてきたが、私たちはもう一度この国を偉大にする。すぐに勝ち始め、皆さんはこの国を誇りに思うようになる」。3日の勝利演説でも、いつもの言葉を繰り返した。
調査機関ピュー・リサーチ・センターによると、トランプ支持者の75%は、自分たちの暮らしぶりが悪くなっていると不満を抱えていた。クルーズ上院議員支持者の63%、ケーシック・オハイオ州知事支持者の54%よりも高かった。