操業を再開したトヨタ自動車九州の宮田工場からは、レクサスが運び出されていった=6日午前、福岡県宮若市
熊本地震の影響で被災したり部品の供給が滞ったりして操業を止めていたトヨタ自動車とホンダの工場が6日、生産を再開した。トヨタは地震発生から3週間で、国内すべての生産ラインの再開にこぎつけた。だが熊本県にあるホンダの工場の操業は一部にとどまる。
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ホンダは、国内唯一の二輪車製造拠点の熊本製作所(熊本県大津町)の操業を再開した。午前7時ごろ、従業員の車が続々と工場に入っていった。出勤した男性(37)は「この日が来てよかった」とほっとした様子。「早く完全に復旧し、よい製品を届けたい」と語った。
再開したのは四輪バギーのギアやエンジンの部品製造や組み立て。主力の二輪車生産は止まったままだ。設備に大きな被害を受け、復旧作業が進んでいないためだ。8月中旬に元の態勢に戻すことを目指す。
トヨタは、操業が一時止まった国内15の車両組み立て工場のうち、まだ再開していなかった4工場を稼働した。部品供給のめどがたったためで、現時点では14日までの操業を決めている。それ以降は、部品の調達状況を踏まえて11日に判断する。
6日に再開したのは、元町(愛知県豊田市)など4工場。高級車レクサスなどを生産するトヨタ自動車九州も、宮田工場(福岡県宮若市)を全面的に再開した。午前6時から工場が稼働し、従業員が車で続々と出勤した。同社広報は「一日も早く顧客に車を届けたいのに、なかなか生産できず現場にも葛藤があった。工場再開で士気もあがっている」と話した。