再開された保育所で笑顔を見せる子どもたち=6日午前、熊本県益城町、小宮路勝撮影
一連の地震で大きな被害を受けた熊本県で、週明けから公立小中学校が本格的に授業を再開する。11日までにすべての学校が始まる見通しだ。ただ、校舎の損壊や道路の寸断で別の学校に通ったり、体育館が避難所になったままの学校に通ったりする子どもも残る。
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朝日新聞が6日、県や各市町村の教育委員会に取材した。県内の公立小中学校528校のうち休校しているのは10市町村の143校で、本震直後の4月18日の351校から大幅に減った。9日には阿蘇市と南阿蘇村、益城(ましき)、大津、御船、嘉島、甲佐の各町、10日に熊本市と宇土市、11日に西原村ですべて再開する見通しで、公立高校68校と特別支援学校18校も10日までに再開予定だ。
阿蘇市では、校舎が損壊した小学校の授業を3月に閉校した別の小学校で再開する。益城町の中学校と甲佐町の小学校では別の学校の空き教室などを間借りする予定だ。一部が使えなくなった熊本市の中学校では、学年ごとに登校時間をずらすなどする。
南阿蘇村では、崩落した阿蘇大橋西側の立野地区に住む児童38人のうち23人が村内の小学校に籍を置いたまま村外の学校に通う。同地区の中学生6人は隣の大津町の学校に、10人は寄宿舎や避難先から村内の中学校に通う。
熊本市や益城町、阿蘇市、南阿蘇村などの100校以上は6日現在、体育館や一部の教室が避難所となっている。自治体は避難者の意向を聞きながら別施設への集約を進めているが、再開後も避難所として使われる学校が残る見通しだ。給食施設が被災し、当面はパンと牛乳のみとなる学校もある。
休校中のカリキュラムの遅れを取り戻すため、県教委は新たに45人を臨時教員として採用。授業の過密化や、心的外傷後ストレス障害(PTSD)などで理解を深められない児童・生徒にきめ細かく対応する。今後も状況に応じて採用を増やす方針だ。
益城町では6日、町立3保育所が再開した。第三保育所には83人のうち20人が登園し、子どもたちは友達と久しぶりに会って笑顔を見せていた。