タックスヘイブン(租税回避地)と各国の指導者らの関係を暴いた「パナマ文書」の流出元となった中米パナマの法律事務所「モサック・フォンセカ」の共同創立者の一人で、ドイツ出身の弁護士ユルゲン・モサック氏(68)は、1960年代初めに父親に連れられてパナマに移り住んだ。
特集:パナマ文書の衝撃
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パナマで法律を学んだユルゲン氏は、73年に弁護士の資格を取得し、パナマとロンドンで活動。政界に太い人脈を持つパナマ人弁護士のラモン・フォンセカ氏(63)と知り合い、互いの法律事務所を統合して86年にモサック・フォンセカを設立した。その後、事務所は世界に支店40以上、500人以上の従業員を抱えるまでに成長した。
フォンセカ氏は「我々はモンスター(怪物)を作り出した」と、後に記者の取材に誇っていたという。若い頃は聖職者に憧れ、世界の救済を目指してスイス・ジュネーブの国連欧州本部で働いたこともあるという。だが、08年のテレビの取材で当時を振り返り、「何も変えられなかった。もっと現実的な道を歩むと決めた」と語ったという。